シニアマーケティングを成功させる鍵は正しいターゲット設定
シニアマーケティング
ターゲティング
なぜ、シニアマーケティングは難しいのか?
2021年に団塊の世代が70代に突入し、65歳以上が日本の人口の28%を占めています。
おのずと各業界のマーケッターもシニア市場により注目があつまり、様々なマーケティング施策が試みながら、なかなかうまくいっていないのが実情です。
なぜ、シニアマーケティングは難しいとされているのでしょうか。1つは、当たり前ですが、現役世代に65歳以上の方がいないので、どのマーケッターも手探りでプランニングをしている実情があります。
うまくいかない原因のもう一つは、シニアを一括りに考えてしまっていることが挙げられます。
皆さんの周りのシニアも、マラソンを完走するような元気にシニアから、認知症を患って、介護状態になっているシニアなど、実は現役世代よりもさまざまな生活様式を持っています。
シニアマーケティングは4つの背景(お金・健康・環境・時間)で考える。
マーケティング施策を成功させる上で、明確なターゲティングをすることが重要になります。これは、シニアについても一緒です。シニアと言っても、様々な方がいます。寝たきり生活をしているシニア。元気で現役で働いているシニア。元気だけど、年金額が少なく節約生活に励むシニア。など様々です。
では、どのようにターゲティングすれば良いのか。その時に指標になるのが、4つの背景(お金・環境・時間)です。
ひとつずつ見ていきましょう。健康という背景は、他の世代では、あまり考えない指標ですが、シニアでは一番大切な指標となります。介護状態である方と、元気なアクティブシニアでは、行動もお金の使い方も大きく変わりますよね。
次にお金。よく資産という指標で考える方もいますが、資産だと、すぐに動かせないお金も入ってくるので、ここでは、お金としています。どの世代もそうですが、やはりお金のある方、ない方で消費行動は大きく変わります。
環境には、シニアならではの要素が入ってきます。家族構成や、住居形態、身寄りの有無、家族と別居の場合、子どもの家との距離によっても、シニアの行動範囲は変わってきます。
最後に考える、時間。シニアは、皆、時間があると思いがちですが、実はそうではありません。年金だけで生活できないシニアも多く、日中忙しく働いているシニアもいるのが実情です。
次の章で、ご紹介した4つ背景を踏まえて、シニアをマトリクス上でプロットしていきます。
ターゲットを絞ることがシニアマーケティングの成功の第一歩
シニアの属性を分析する上で、縦軸にお金、横軸に行動様式(能動的、受動的)とした マトリクスで考えます。
横軸の、受動的、能動的の背景には、前項でご紹介した、健康、環境、時間が起因しています。健康状態が悪ければ、やはり受動的な生活様式になってきます。また、家族との関係性などの生活環境によって、行動範囲も変わってきます。シニアは時間の感覚も幅広いのが特徴です。
65歳になっても働く方も増えてきています。仕事をしている方と、引退した人では、時間の使い方が変わってきます。
4つの背景(お金、健康、環境、時間)を元にシニアの属性の一部をプロットしたのが
以下の表になります。
この表を見てわかるように、シニアは、能動的になるほど、お金の使い道は、外向きになる傾向があり、身体的自由度も増えてきます。縦軸のお金の増減で、仕事する時間も変わってくることから、自由な時間も増減することも特徴です。
このように、シニアといっても、さまざまな生活様式に分かれます。シニア向けのマーケティング施策を立案する際には、狙うべきターゲットを定めなければ、施策も的外れになることもお分かりいただけたのではないでしょうか。
シニアは常に終わり(終活)とお金を考えている。
最後に、シニア世代のお金の使い方を見ると、実は一つのファクターが起因しています。
それは、死というファクターです。現役世代は、なかなか考えることがない自分の死という現実ですが、シニア世代は言葉に出さずとも、どこかで「死」を意識しています。
いわゆる終活です。終活をするまでの時間軸が彼らにはあります。それゆえに、人生において、ここは。というものには、お金のかけ方が違います。
コロナ前までは、100万円近くする絶景を楽しむ列車の旅が数か月待ち。なんてこともありました。
これは、やはり待ち受ける「終活」を意識した購買行動にあります。
シニア向けのマーケティングを考える際には、必ず「終活」という視点も持っておきましょう。